MENU

大阪府内にあるメッキ加工業会社 年商6億

ホームページを見ていただいてお問い合わせあった会社です。
数ある資金調達コンサルタントと名前が付くところを3社回られたが、相談料が高いわりには、回答が当たり前のことばかりということで、ホームページで相談できるところをかなり探されたらしいです。
コンサルティング会社より会計事務所で融資に強いところをだいぶ探されて当社に問い合わされたとのこと。社長の年齢は43歳。
「創業者である父親から譲り受けて約5年、必死でやってきたが、原材料の高騰でにっちもさっちもいかなくなり、いろんなところを削減した結果、遂にリストラ対象を人にすることに最近踏み切ったばかり」とのこと。

当社 「資金はどれくらいがご希望なんですか?」
大野社長 「2億です」

当社「う~ん、決算書を見ると年商が6億ですね。通常の運転資金なら、金融機関は月商の2ヶ月をまず基準にみるのですが、2億となると4ヶ月分にもなりますね。そういう意味では、多いなぁ、とは思いますね。決算書を見ても、流動比率(資金繰り的にどれくらい余裕があるかを表す分析値)や自己資本比率(経営体質が安定しているかを表す分析値)はまずまずなので、経営体質的には良好だと見られるはずですのでそれはそれで良いのですが。でもやっぱり融資希望額が多い。もう少し減らせないですか?」

大野社長「う~ん、2ヶ月分となると、1億ですか。それだけだと、いざという時の余裕が。」
運転資金がなぜそんなに必要なのか探るために、会社の状況をじっくり聞かせていただきました。1時間くらいして出てきた話が以下です。

「今までスタッフ全員正社員だけでやってきましたが、先行きを考えて、最近、泣く泣く7人のリストラを断行しました。固定経費はだいぶ減ったのですが、でも今度は、正社員が減った分、受注が多い時には外注業者に頼らないといけなくなり、その外注業者への支払から売上入金のタイミングまで5ヶ月もあるのです。」

当社「なるほど。それはそれで立派な借入理由になりますね。」
大野社長「えっ?そうなんですか?」

いったい何を驚いているのか一瞬わからなかったのですが、その肝心なことを融資係に説明せず、「資金繰りが苦しい」「運転資金がほしい」しか言わず、理由が十分伝わっていないことがわかりました。

当社「どうしてそれを銀行に言わないんですか?」
大野社長「いやぁ、原材料の高騰で運転資金が欲しい、っていうことはだいぶ言ったのですが・・・」

この会社は現在の借入が3億4千万円あるので、売上に対する借入率は決して低くはない。なので、普通に「運転資金がほしい」だけを訴えると「借入の返済原資を作るための借入では?」なんて疑われてしまいます。
「外注費が先に出て行くからつなぎの資金がほしい」というのは、いわば「前向き」な資金なので堂々と言ったらいいことなのです。
さらに突っ込んで、業界の動向や最近の取引先の状況を聞いてみると、得意先から 「材料をそちらで仕入れてメッキ加工をした上で納めてくれないか?」という要望が最近かなり多いことがわかりました。得意先はその方が資金繰り的に楽だからです。

当社「実際にその要望を受け入れるおつもりはないんですか?」
大野社長「いやぁ、それはできるものならやりたいけど、先立つものが・・・」
当社「だったらそのための資金も必要ということも併せて言えばいいじゃないですか。実際にそれをしたいんでしょ?実際それをしたら受注がドカッと入ってくるのは間違いないんでしょ?」
大野社長「ええ、そういう要望は連日ありますから。実際まとまった借り入れが出来たら発注はかなりあるでしょうねー」

どうも、こういった理由を金融機関に言うなんてとんでもなくムシのいい話だ、と勝手に思い込んで諦めていたようです。長年真面目にやってこられた製造業の社長ほどそういう傾向は強いのですが。実際はこういった理由は利益を上げるための前向きな資金なのでほとんどの金融機関は聞いてくれるにもかかわらず、です。

さらに、ふと目についたことが。決算書を見ると売掛金が4ヶ月分もの残高があるのです。「う~ん、まさか売上の水増しなんてしまてませんよね?売掛金が4ヶ月分もたまっていますが。」
大野社長「ああ、これはうちの業界特有なんですよ」

よくよく聞いてみると売上を手形で回収する比率は少ないにもかかわらず、4ヶ月という回収サイトが平均らしいのです。

当社「その業界特有のことを融資担当者に説明しましたか?」
大野社長「いいえ、特には」
当社「銀行は業界特有の数値データを必ず持っています。それと照らし合わせて考えます。御社のようなメッキ加工業だけの業界の平均値というデータまでは持っておらえることは考えにくいと思います。なので、他の何かのメーカーと同等である、と勝手に見なされて、その業界の平均値で見られてしまっている可能性が大きいです。だからその前に、ご自身の業界独特の事情をきっちり説明しないといけません」
大野社長「えっ?そういうものなんですか?」

結局・・・・

再度金融機関に行って借入のための前向きな理由を強調して、さらに、融資を受けたらどう業績が好転して返済もきっちりできるか、ということを書類にきっちり書き込むことをご指導しました。さらに、業界の特性もきっちり書き込むことをやった結果、大野社長はこちらがご指導したとおりに融資係にアプローチした結果、見事満額融資を受けることができました。

ポイント

■借入できるか出来ないかは先入観で判断してはいけない。
■借入理由は前向きな理由が好ましい。
 たとえば以下のような理由
 ・受注見込みはあるのだが外注費が先に出ていく
 ・販促ノウハウには自信があるので販促費を積極的に使っていきたい etc…
■業界特有の数値があるならそれをきっちり書面でも口頭でも説明する

たった3分~15分の無料電話相談だけで半数以上の悩みが解決

資金調達(国金あるいは信用保証協会等)についての疑問を電話でお気軽にご相談いただけます。
「資金調達を受けることができる可能性があるかどうか」だけなら3分~15分お話を聞いただけでもだいたいは判断出来ますので、この無料電話相談をご利用されるのがお勧めです。
「わざわざ時間とってもらうほどのことは無いが、融資について、ちょっとした疑問点を聞きたい」ということでもかまいません。無料電話相談は以下からお願いします。